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No.1「白色」「井戸」「人工のヒロイン」​ジャンル:SF

ある日アーサーは、ランドやすぎとともにとある公園の近くを散歩していた。
その公園には井戸があった。昔から「何かが住み着いているんじゃないか」と言われている井戸が。
「あの井戸、ほんとになんなんすかねぇ」すぎがつぶやく。
「うん…ええっ!?」
そういうと同時に、ランドはその場に座り込んでしまう。
『ランド!?』
「……フタリトモ、イドノホウミテ…」
二人が言われた通りに井戸の方を見ると、そこには白いワンピースを着た人影が見える。
「なんだこれ……まさか、噂のおばけか?」さすがのアーサーも少し声が震えている。
一方普段からおばけを信じないすぎはひょうひょうとした様子で井戸の方へ行き、
「どなたっすか?」と言いつつ人影に触れた。
すると、人影らしきものは白い頭部をメタリックに光らせながら3人の方を振り返った。

『………???』
3人は驚いた。なぜなら彼女は人間ではなく、全身を白く輝かせたロボットだったからだ。
「……どうして、こんなところに…」やっとのことでランドが彼女に声をかけた。
すると、彼女は機械らしい無機質な声で、
「ワタシタチノクニヲタスケテホシイ」とひとこと。
「…お前はどこからきたんだ?」すぎが続けて質問する。
「……ソレハ…………。ギギギギギ…」
どうやらフリーズしてしまったようだ。しかし、そのかわり、3人の後ろから含み笑いのような声が聞こえてくる。その声は次第に大きくなり、ついには、
「あははは!!もう無理!」という声と同時にヒトが姿をあらわした。
『…まゆ!?』
「もう、あなたたち騙されすぎ!笑い堪えるの大変だったんだから!」
そう言いつつもいまだにまゆは笑いを隠せずにいた。
「……もしかして、このロボット、まゆが作ったのか?」半信半疑という感じでアーサーが聞いた。
まゆは確かに機械の操作とかは得意なのだが、一人でここまでできるものなのだろうか。
「まあ、そうね。カイトのお父さんに協力してもらったわ」
記念すべき初めての三題噺。
​大体この程度の分量で書いていきます。
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